赤木法律事務所

離婚

離婚に際しよく争われるのは、離婚をするか否か、親権者、財産分与、慰謝料、養育費、婚姻費用です。

これらについて夫婦間の話し合いで合意できる場合は、原則合意のとおりに決めることができます。
但し、財産分与、慰謝料、養育費などお金についての合意は、相手方が合意の通りに支払わない場合に直ちに差押などの強制執行ができるよう、合意内容を公正証書にしておくことをオススメします。

相手が離婚に同意しない場合、日本では「離婚訴訟」の前に、必ず家庭裁判所で「離婚調停」をする必要があります。これを調停前置主義といいます。

「離婚調停」とは、家庭裁判所が選任する男女1名ずつの調停委員が、中立的な立場で夫婦双方から交互に意見を聞いて、話し合いで離婚をまとめる手続きです。
調停での話し合いが決裂した場合、次に離婚訴訟を提起することになります。

離婚するか否か?離婚そのものについて調停での話し合いで全く歩み寄りの余地が無い場合は、調停を続けても意味がないので、早い段階で調停が終了します。
場合によっては、1回で調停が終了することもあります。

離婚をすることには争いがなく、親権、養育費、財産分与、その他の条件面で折り合いが付かない場合は、調停は長引く傾向にあります。調停期間1年ということもあります。
ポイントは、調停を続けて合意ができる可能性があるか否かで、調停委員が判断します。

訴訟で離婚が認められる場合は、以下のとおり法律に定められています。

①不貞行為
②悪意の遺棄
③3年以上の生死不明
④強度の精神病で回復の見込みがない
⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

性格が合わない、喧嘩が絶えない、夫が働かないなど、離婚を希望する多くの理由は「⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性がありますが、離婚判決を得るためには、これにより「関係改善の見込みがない程に夫婦関係が破綻している」と裁判官に認められる必要があります。
改善の見込みがあるか否かは、破綻原因、別居期間、それまでの双方の関係改善に向けた努力の内容や程度など、諸般の事情を総合的に考慮して、客観的に(第三者の視点から)判断されます。

 

つまり「まだまだ改善の見込みがある、努力の余地がある」と判断された場合は、離婚は認められません。

 

離婚に相手が同意をしない場合、上記①~⑤の事由があることや、関係改善の見込みがない事などを主張・立証し、調停委員や裁判官を納得させていくのが弁護士の仕事です。

離婚に関係するお金は、財産分与、慰謝料、養育費、別居から離婚成立までの婚姻費用の4種類があります。
4種類とも、夫婦間の話し合いで合意ができる場合は、合意額で決ります。

結婚後に夫婦が協力して作った財産を、離婚に際して分けることで、原則は1/2ずつ。
相続で取得した財産は、夫婦が協力して作った財産ではないので財産分与の対象になりません。

離婚原因(不倫やDVなど)を作出した配偶者に対する損害賠償請求です。

 

争いがある場合、調停や訴訟で争うところ、慰謝料の相場は低く平成10年の統計によると、婚姻期間5~10年未満の慰謝料平均は304万3千円です(現在の相場はもっと下がっている印象です)。ただしこれは平均額であり、破綻原因となる行為の内容や、幼い子供の有無など、様々な事情によって金額は大きく変動します。

 

不倫やDVの場合は、その行為をした相手だけに責任があることが明確です。しかし、性格が合わない、喧嘩が絶えないなど、
離婚を希望する多くの理由は、夫婦のどちらか一方だけに離婚の責任があるとはいえないので、原則として慰謝料は認められません。
ただし、この場合でも、早く別れたい方が相手を納得させるための解決金として「慰謝料」の名目で一時金を支払う場合もあります。

争いがある場合、裁判所は【養育費算定表】に基づいて算出をします。
自分と相手の収入、自営業か会社員か、夫婦間の18歳以下の子供の人数・年齢によって額が決まります。
例えば、夫(会社員)年収350万円、妻(専業主婦で収入なし)、夫婦間の子供(2歳)1人、妻が子供を養育する場合、夫が妻側に支払う養育費は、毎月2~4万円です。
別居から離婚成立までの間、収入が多い方から少ない方に支払われる生活費のことです。
争いがある場合、裁判所は【婚姻費用算定表】に基づいて算出をします。
自分と相手の収入、自営業か会社員か、夫婦間の18歳以下の子供の人数・年齢によって額が決まる点は養育費と同じです。
夫(会社員)年収350万円、妻(専業主婦で収入なし)、夫婦間の子供(2歳)1人の場合、夫が妻側に支払う婚姻費用は、毎月6~8万円です。

離婚する際に、未成年の子供がいる場合は、親権者を決めなければなりません。
夫婦のいずれが親権者となるかは、当事者間の合意によって決めるのが原則ですが、合意できない場合は、裁判所で決めることになります。

 

裁判所での親権の決め方
どちらが親権者としてふさわしいかは、親の経済力、居住環境、性格、援助体制の有無などから「子供にとって父母どちらが親権者として望ましいか」という観点から決められます。
子が年少者の場合は母親が親権者になることが多いですが、実際に養育をしているのが父親である場合や、母親が虐待をしている場合などは、父親に親権が認められることもあります。

親権を確保できなかった側は、子供の利益に反しない限り、子供との間で面会やメール、電話、手紙などによって交流をすることができます。
特に面会交流については、日時または頻度、各回の面会交流時間の長さ、子供の引渡しの方法、場所などを予め決めておくのが一般的ですが、夫婦間で合意が出来ない場合は、裁判所が定めることとなります。

 

面会交流は、親権を確保しなかった親に親としての自覚を維持させるとともに、子供にとっても成長の上で有益ともいえます。
ただ、親権を確保した側の親にとっては、継続的・定期的に別れた配偶者と接点を持つことになり、肉体的精神的な負担も無視できないことは確かです。双方が負担にならないように、そして、あくまでも主人公は子どもであるということを念頭に置いて、柔軟に決めていくのが望ましいでしょう。