赤木法律事務所

事業承継

■(2019年5月21日更新)

【2019 年5 月21 日】

後継者の不存在を理由に廃業する中小企業は増加しており、中小企業庁はじめ国も本腰を入れ始めています。
加えて、最近は中小企業にもM&Aが浸透してきている影響から、後継者の有無や売り買いを問わずM&Aに関するご相談も増えています。

後継者不在に限らず、事業承継は会社の支配権(株式)やその後の遺産相続のあり方、会社の財務状態の改善、潜在的な労働問題の解決等、検討しなければならない事柄が多岐にわたり、かつこれらが複雑に絡みます。

事業承継は経営者の最後の仕事と言われますが、経営をしながら同時平行で、多数かつ複雑なことがらについて考え・実行していくのは、なかなかに難しいのが現実です。

また、会社に自分の全エネルギーを注いできた、会社が自分の人生そのものという経営者にとって、自分が引退した後のこと、自分が亡くなった後のことを考えなければならない事業承継は、積極的に取り組むモチベーションにはなりにくいのは仕方のないことです。
これらから、多くの経営者にとって事業承継は、どうしても伸ばし伸ばしになってしまっているのが現状です。

反面、事業承継は数年単位になることも多く、どう承継をするかを決めるまでに時間がかかるのは仕方無いとしても、早い段階で、どのような選択肢があり、それぞれのメリットデメリットについて理解しながら、複数の選択肢をシュミレーションしておくことが必要です。
ですから是非とも「気軽に、早めに、ご相談」をして頂きたいと思います。

■そうはいっても、腰の重い経営者の方々へ

私ごとですが、東大阪で町工場を経営する義父と、その長女である私の妻とが二人三脚で進めた承継が皆様の参考になるのではと思います。
順次、掲載していく予定ですので、経営者の皆様の参考になれば幸いです。

義父(社長)とその長女(娘)が、事業承継に着手したのは昨年(2018 年)です。当時、義父は69 歳でした。

通常、事業承継は5 ~ 10 年ととても時間がかかります。そういった意味で社長が承継に着手した69 歳という年齢は、決して早くはなく、むしろタイムリミットまでギリギリの年齢だったと感じます。
私の妻は、当事務所で働いていることから、事業承継の重要性や複雑さについてよく理解しており、数年前から承継を考えるよう社長を説得していたようです。   
しかし彼は、多くの経営者と同じく、なかなか承継に取り組む気になれず、それどころか「自分は一生現役」「自分には老後はない」と次々と新しい設備を入れ、従業員を増やし、拡大しようとしていました。

従業員の中には、住宅ローンを抱えている人や、これから子供の教育費がかかるであろう30 ~ 40 歳台の従業員も複数おり、「もし社長になにかあったら?」と心配しているだろうことは想像できます。

実際、会社のことは社長にしか解らず、家族でさえも誰も詳しい事は解りませんでした。そんな中で社長にもしもの事があったら、会社も無事ではおられず、従業員達にも取引先にも迷惑がかかる状況でした。
そこで、娘が決算書を入手し、半ば強引にM&Aで会社を売却した場合の市場価格と、現状かかえる問題点を調査し義父に突きつけ、承継について真剣に考えさせるという、かなり強引な形で事業承継への取り組みがスタートしたのです。